「失意のどん底で見るものすべてモノトーンでした。気持ちを明るくするためお庭のリフォームを考えました。」
お庭の依頼をうけたとき、辛い経験をなされた施主さまがそう話してくださいました。
その思いを受け止め、創り出したものは、バリエーション豊かなアプローチと数々の意匠を凝らしたウォール。
パーゴラまでの道のり、ゆっくり歩けば、ホワイトやオレンジの色彩も鮮烈な、様々に表情を変える大人の空間。
また、外からの視線を遮り、視覚でも楽しい、オンリーワンの緑のスクリーン。
そこに広がるのは住まい手のためだけに、意識を傾注して作り上げた、プライベートガーデンでした。
「朝は六時半に家をでます。その前に水やりが日課となりました。
普段は帰宅が遅いのであさの水やりの時間にお庭を満喫しています。癒しですね・・・」
オーニングの下でのテイータイム、梢を渡る風と煌めきの中で、英気を充電し再び前線に向かう原動力として、新しくできた風景が、その一助となり得るならば、作り手としても、流した汗が報われる思いです。
そして、樹々や草花の成長とともに大切な人が贈ってくれた鉢植えのブルーベリーがこの庭で大きく育ち、たわわに実った紫紺の実を収穫するたびに思い出に浸っていただけたらと思います。